他人から支配されること

黒沢清監督の「クリーピー 偽りの隣人 」を観ました。

あらすじは書きませんが…香川照之の変人ぷりが「こんな人居そう…!」と思わせるリアルな怖さでした。

引越し先のお隣の人、なんか変と思いながらもその男に引きずり込まれ、ある意味親密な関係になってしまう竹内結子に「なんでだぁ〜‼︎」と叫びました。

でもきっと、きっかけはちょっとした心の隙なんだと思う。えぇ?と思いつつも自分が弱っている時に甘い言葉をかけられたりするとそこに救いを求めて「もしかして、この人は私の事を理解してくれるかも…」などと思ってしまうんだろうね。そこら辺の描写はありませんでしたが。

それで気付いた時にはこれが「良くない状況」だと分かっていても抜け出せなくなっている。何故なら状況を変えるにはエネルギーが要るから。

その、「きっとこれはダメなんだ、分かっているの」という状況に身を委ねている事の方がラクだから。正しい感覚は時間と共にだんだんマヒしていき、深みにハマって抜け出せない。まさにアリ地獄。

ブラック彼氏から抜け出せないのもこれと同じ構図だと、己の反省も含めて思いました。

1番は、そういう人に引っかからない強さを持つ事=予防が大事。

だけど人は弱いので誰でも引っかかる可能性がある。そうなった時、「何かヘン」という自分の直感を信じて早い段階で退く勇気、場合によっては相手と対峙することも必要。

あと、こういう危険人物は周りとの接触を絶って洗脳していくので(やってる本人も無自覚な場合もある)、他人との関わりが大事だなと。自分の置かれてる状況を客観的に見るきっかけになるし(目を覚ますきっかけ)、自分の事を大事に想ってくれる人なら「何かヘン」という状況に気付いて動いてくれるかも。

怖いのは、大事な人=その支配する相手になってしまっている場合。恋人だとやはりこういう関係になりやすいんでしょうね。

これは中々抜け出すのが難しい。

そういう意味でも、大事な人は恋人や家族に限らず何人かいるのがいいかなぁ…

分散させる意味でも。

何にせよ、他人から理不尽に支配される関係は持ちたくないです。私は、抜け出せて本当に良かった。

もっと強くならねばならない。

日々精進ですね。